Tuesday, March 22, 2011

平和への祈り 大船観音から

全ビルマ僧侶代表委員会(All Burma Monks' Representative Committee=ABMRC)のアシン・ターワラ師と大船観音でお会いする機会を得ました。
20101102-02
(大船観音・平和祈念碑にて)
2007年9月に行なわれた僧侶たちの『慈経』を唱えながらの平和的行進(「サフラン革命」「黄金の革命」)は記憶に新しいところです。
その先頭に立ったアシン師は、僧侶歴としてダンマサリヤ試験に合格、ダンマサリヤの称号を贈られていますが、2003年アウンサンスーチー氏とと会ったことが不品行とされ、宗教省から称号を取消されてしまっています。

2007 年9月20日の午後1時30分頃、私たち僧侶がシュエダゴン・パゴダからスーレー・パゴダ、チャウタッチー・パゴダ、ンガーダッチー・パゴダ、そしてアラ ンピャ・パゴダ通りを通り過ぎるとき、軍政の出先機関である連邦団結発展協会とスワンアーシンのメンバーが100人ほど現れ、様々な手段を用いてンガー ダッチー・パゴダとチャウタッチー・パゴダ近辺の僧侶を妨害しようとした。しかし彼らの試みは、僧侶の団結のために効果をあげられなかった。この日、 220,000名の僧侶、尼僧、学生、市民が行進に参加し、午後5時にスーレー・パゴダで終わった。
2007年9月22日の 12時、 僧侶たちはシュエダゴン・パゴダから行進を始め、ミェーニーゴン、国営放送局 、フレーダン通りの交差点、大学通り、そしてアウンサンスーチー氏の自宅を過ぎて国民民主連盟本部前へと向かった。7,000名以上の僧侶と20,000 名以上の市民が行進に参加した。この日、アウンサンスーチー氏が自宅から姿を見せ、全ビルマ僧侶代表委員会の僧侶たちに稽首礼をした。そこで全ての僧侶は 一斉に、悪と災いから護るパリッタ(護呪経)を15分ほど唱え、私たちはまた、スーチー氏のために『慈経』を唱えた。スーチー氏が私たちの読経を聞いてい る間、涙を流してひどく泣いているのを見て、私たちは心が張り裂けそうだった。
この日、きわだった出来事は、アウンサンスーチー氏の自宅へ向かう際、大学通りにあるピンヤ寮前で災いから護る読誦をしたことである。私たちの読誦の間、それを聞く人々が悲しげに泣いていたので、やるせない気持ちでいっぱいになった。
彼らが感じていた恐れや憎しみの心が、ただちに私たちの中へしみこんできたように感じられた。
アシン・ターワラ師は、最前線に立って軍事政権の行動に対する抗議を行いました。
私 たちは僧侶であるので、あらゆる未解決の問題で血を流すことは望みません。解決のためには、対話と平和的手段を望みます。この国を支配する軍政は、斟酌す る力量のある人々からなっているはずです。ですから、彼らは人々が何を望んでいるのか理解しなくてはなりません。ビルマの人口は少ないですが、領土として は生活に困ることなく豊かに暮らすのに十分な大きさがあります。さらに、ビルマは海上でも地上でも天然資源が豊富ですから、近代的な国家になり得るはずな のです。しかしそうなっていません。軍政の独裁者たちは、誰がビルマを世界で最も貧しい国の1つにしてしまったかを、自分自身に問うてみるべきでしょう。 わずかな人数の独裁者たちは、国民のための国家予算を乱用して私腹を肥やしています。国際社会に対して、この国は貧しくなくて問題などないのだと鼻に掛け ることは、ビルマ国民と世界に向けて自分たちの行為が紳士的でも良き為政者でもないと示しているのです。彼らの思考法とイデオロギーは狭く限定的であり、 もはやビルマ国民を囲い込んで支配したり抑圧することができなくなっています。ビルマ国民は軍政下で貧困と飢餓に苦しんでいますが、それぞれが外の世界に ついて知識をもっていますから、国際状況について自分の頭で考え、決断することができるのです。世界中の他の発展途上国と比べてビルマに発展が見られない のは、軍政の非常に劣った政治力のせいなのです。そのことに気がついていても、軍政は自らビルマの政治問題を解決しません。それどころか、7つのロード マップで世論を欺いて、足を引っ張っているのです。これは我々国民にとって不利益なことです。為政者がなすべき10の行為を鑑みて善い政治が行われれば、 国家に平和が訪れ、人々は心身ともに幸福でいられることでしょう。もしその10の行為を鑑みない悪しき為政者が国家に独裁制を敷いたら、国民の尊敬を失う だけでなく、他の為政者の尊敬をも失うでしょう。必ずや、恥ずべき不名誉だけでなく衰退と敗北に直面するでしょう。ですから、私たちは軍政の独裁者たち に、本当の平和と民主化と自由で公平な政治は、全ての未解決の問題に対して理解をもって正しく取り組むこと、そして危険な手段ではなく合理的で考慮され た、国内の全民族を交えた(民主化勢力、少数民族グループ、軍政の)三者会談によってのみ、本当に実現するのだと告げたいのです。最後に、もし軍政が解決 へ向けていかなる動きもとらなければ、私たち僧侶は最後まで恐れることなくこの革命に人々とともに平和的に参加します。
(平和的行進におけるアシン・ターワラ師の抗議演説より)
その後、事態はあたかも沈静化したかに見えますが、決してそのようなことは無く、軍事政権による情報統制と反発する僧侶や市民を徹底的に排除した結果によるものです。
全ビルマ僧侶代表委員会書記長の任務を引受けることとなったアシン・ターワラ師に対しても軍政は徹底的に弾圧を繰り返し、逮捕命令が下されます。
アシン・ターワラ師はラングーンを離れてバングラデシュへ、そしてインド・ニューデリーに逃れ、その地で全ビルマ僧侶代表委員会事務局創設、軍事政権との闘いを続けられています。

大船観音胎内でビルマの平和、世界の平和を祈り法要を営みました。
20101102-04
参拝ノートに平和のメッセージが刻まれます。
罫線を縦にして、下から上に書いていくのですね。
 
大意:平和の火が灯る特別な場所で、ビルマの安寧と世界の平和を祈ります。


20101102-03
平和の火(原爆の火)の前にて。
ビルマも核兵器を持つ国になるそうです。
北朝鮮経由での兵器輸入。日本は核兵器に取り囲まれているという状況を知っておかなければなりません。
そして、多くの仏教僧侶、仏教徒が迫害を受けているという現状にも常にアンテナを張っておくべきでしょう。

20101102-05
久し振りに爽やかな晴天となりました。
抜けるような青空を超えて平和への願いが届きますことを切に願います。
末筆ながら風月庵様にはこのような機をいただき、心より感謝申し上げます。http://teishoin.net/blog/004026.html

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